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こんな筆記具です

書き味

幼い小学生の子らが、文具店で自分の名前をたくさん書いてペンを選んでいます。その目的は1つ、「きれいな字が書きたいから」。
万年筆はこの夢を叶える魔法の筆記具なのです。コンディションの良い万年筆は無駄な力を入れなくても文字を書くことが出来ます(力を入れなければインクが出ないペンに心当たりがある方、是非この先も読んで下さいね)。
余分な力を入れないで書いた文字はとても自由で美しく書くことができます。
また、万年筆のペン先はとてもデリケートで紙のわずかな凹凸をも感じ取ってしまいます。質の良い紙からの心地よい振動を是非楽しんでいただきたいとKDMは考えております。

筆跡

万年筆は液体のインクを使っており、文字を書くと「とめ」「はね」「はらい」の筆跡がよく出ます。また、この特性から人の感情をもっともよく表す筆記具でもあるのです。
お手紙、日記、手帳など自分の感情に密着した書き物には是非とも使っていただきたいです!

個体差

多くのボールペンがほとんどの製作行程でオートマティックに大量生産されている一方、万年筆は驚くほどの部分が手作業で作られています。そのため、万年筆は量産品ではありません。同じ書き味は一つとしてないのだそうです。それだけに「選ぶ」という行為が重要な役割を担っている筆記具なのです。

寿命

KDMでもかつて、セーラー万年筆の川口先生をお招きしてペンクリニックを毎年行っていました。クリニックに持ち込まれる万年筆は本当に様々です。そして先生が口にする言葉にびっくりしました。なんとほとんどの方に「あと30年は使えます」と仰います。
ペンは少しずつすり減ってきます。しかし、定期的な調整を加えることで何十年も使うことが出来ます。ペン先よりもむしろ樹脂製のキャップやペン芯、ピストン部分の故障や摩耗によりご利用できなくなるケースが多いように感じます。

万年筆を買う前に

万年筆の字幅って?

細字(F)

F=Fine(細) EF=extra Fine(極細)近年最も人気のある字幅です。

漢字を書く日本人には最もマッチしていると思います。手帳、日記などびっしり文字を書きたいなら間違いなく細字、極細字。
※UEF(ウルトラエクストラファイン)というEF以上に細いペン先も国産品では稀に存在しているようです

中字(M)

FM=Fine Midium(中細) M=Mdium(中)一番人気の字幅です。

紙に接する面積が多い分、ファインよりも滑らかに感じます。ただ、始めて万年筆を持つ方にとっては、比較対象がボールペンやシャープペンシルとなるため、非常に太いラインに感じるでしょう。

太字(B)

B=Broad(太字)太字。

署名は是非こんな万年筆でかっこよくかきたいものです。買われる方の95%が男性。

ミュージック(M)

Music=ミュージックはかつて楽譜を書くために使われていたようです。

横線を引いたときは細く、縦に引くと太く書くことができ、音符の玉や旗を書くときに重宝するアイテムです。但し、現在はその効果のおもしろさからサイン用などのお求めになるケースが多いようですね。
商品によっては切り割りが 2本入っているものもあります。

ソフト(S)

Soft=ソフト。

その他にもメーカーさんによっては様々な字幅を販売されております。 SF(ソフトファイン)、SM(ソフトミディアム)のSはソフトを表す補助記号で、パイロットさんの独自規格です。筆圧の弱い方がより気持ちよく書けるようにと作られており、実際に書いてみるとしなりが強くとても柔らかいタッチです。

アンフェンガ(A)

A=ペリカーノジュニアに見られる字幅表記で「ANFANGER(発音はアンフェンガというようなイメージ)」を表します。

日本語で言うと「初心者」の意味。実際に書いてみると、日本の万年筆では中字程度のためかなり太く感じるはずです。 おそらくこの初心者というのが、万年筆初心者ではなく「初めて文字を書く(簡単な文字しか書けいない状態)」という意味になっているためではないかと推測しております。

オブリークブロード(O)

OB、OBB=Bはbroad。太字の意味ですね。

Bの数が増えれば増えるほど太いことを表します。では「O」は?これは調べてみたところどうやら「Oblique」、つまり「斜め」を表します。カリグラフィ用のペンとして作られたようです。日本語では傾斜太字などと表現されます。

コース(C)

C=Coarse。

「目が粗い」とか、「ぶっきらぼう」という意味があります(どちらかとあまり良くない意味で使われることの多い単語のようです)。パイロットさんの最も太い字幅がこの表記となっております。
※他のメーカーさんの場合はおそらくBBとかそういった表記になるのでしょう。

インクの色々

インクの性質

近年使われているインクの90%は染料インクといって、一度固まっても水で洗浄することができます。しかし、カーボン(顔料系)インクという長期保管に適したインクも存在します(現在日本で買えるのはプラチナ万年筆さんから発売しているものだけと思われます)。その他にもセーラー万年筆さんの「極黒」という顔料系インクにも関わらず非常に小さな粒子を採用したことにより目詰まりを起こしにくく、染料インクのような取り扱いでカーボンのような美しい黒を表現することができるものも有ります。

カーボンインク

かつて美しい黒の発色と、耐久性、耐水性などから、長期保管する文章にはカーボンインクが使われていたそうです。しかし、一度乾燥すると即座にインク詰まりをおこし修理対応(!!)となってしまいます。
また、修理後も最初のような滑らかな書き心地が戻らない場合もあるようですので、毎日絶えず書き続ける、少しでも書かない期間が有る場合は即座に洗浄、キャップを必ず閉めるという習慣が必須の気むずかしいインクです。
しかしながら、その美しさから未だに希望される方が多いのも事実です。

→最近ではカーボンインク洗浄が可能なクリーナーもございます。もしも固まってしまったときには一度お試し下さい(インクの種類、乾燥後の経過時間によっては残念ながら修理対応になる場合もございます)。
http://www.kdm.bz/p70006.html

黒インクは長期保存に適し、くっきりした強い色です。TPOを気にすることなく、どんなシーンでも利用できるため重宝します。

ブルーブラック

いわゆる紺色のことです。黒よりも薄く「とめ」「はね」「はらい」の筆跡が見えるため、日本では他の国に比べ好まれる傾向が強いようです(なんとプラチナさんのインクは青がなくブルーブラックのみ!)。長期保存に適するのは、中に含まれる鉄の成分が酸化し黒い沈殿を作るという仕組が働いているからです。
しかし近年ではこの仕組みを利用しないブルーブラックインクのほうが多いようです。

日本ではなかなか使われる機会の少ない色ですが、知的でさわやかな色です。また、衣服についても比較的落としやすいため、子供に初めて持たせる万年筆は青なのだそうです(舶来万年筆を購入したときについてくるサービスインクはほとんど青)。万年筆を使っていると、青インクはなくてはならない色になります。そのぐらい魅力的な色です。
紫外線に弱く、FAXやコピーに出にくいため、公式文書に使うのは控えたほうが良さそうです。

その他

赤やオレンジ、そしてグリーン、ターコイズなど美しい発色のインクが各社から発売しています。青と性質はにており、紫外線に弱く、耐水性も低い趣味性の高いインクです。

製図用・証券用[万年筆にはご利用いただけません]

パイロットさんからこのようなお名前で、万年筆用インキと似たようなパッケージデザインで発売しておりますが『万年筆用ではありません!』。絶対に万年筆にはお遣いにならないようにお願いいたします。

★製図用:[万年筆非対応]乾燥が早く、滲みも少ないため漫画原稿に使う方が多いようです。あまり光沢はありません。水溶性のためカラー原稿には不向きです。

★証券用:[万年筆非対応]耐水性。しかし、漫画原稿などに利用している方のレビューを拝見していると、水で若干滲んでしまうようです。あまり漫画原稿には適していないようですよ。

混色用

自分だけのオリジナルカラーが欲しい!というファンの方のために好きな色を自作できるインクが発売しております。

プライベートリザーブドインク http://www.kdm.bz/c1_600000003300.html

ミックスフリーインク http://www.kdm.bz/c1_300000001587.html

インクの補充方式

カートリッジ式

吸入式万年筆は予めインク補充方式が定められております。インクが入った樹脂製円筒型の密閉容器をインクカートリッジ、カートリッジを使って書く万年筆はカートリッジ式と一般に認識されています。 カートリッジは一度装着すると、万年筆を使わなくてもだんだんと水分が蒸発していきますので、早めに使い切るのが鉄則です。古いインクは万年筆を傷めることがありますので、控えましょう。

コンバーター式

吸入式コンバーター式はカートリッジ式と実は同義なのです。
どういう意味かというと、インクカートリッジのかわりにコンバーターというインク吸入器を装着できる万年筆をコンバーター式・両様式と一般に呼びます。適合するコンバーターはメーカー、品番によって異なりますので不明な場合はお問い合せ下さい。
コンバーター式一番のメリットは、ボトルインクを使うことができ、Very Economy!

吸入式

吸入式この吸入式は、カートリッジやコンバーターを使うことは出来ません。軸の中にインク吸入機構が組み込まれており、たっぷりインクを補給できることが魅力です。この方式は3万円以上の高級万年筆に採用されるケースが多く、いつかは手に入れたい商品になるでしょう。

パイロットプランジャ式

    吸入式には違いないのですが、かなり特殊な方式で、機構機内気圧差トラブル(インク噴出など)を回避することができる万年筆です。
  1. 尻軸(以下尾栓)をゆるめ引っ張り出す
  2. 引っ張り出した尾栓をゆっくりと下に戻す
  3. プランジャ式専用ボトルインクを使います
  4. 途中で軽くなります(軽くなった瞬間にインクが吸い上げられます)
  5. 使い終わったら、尾栓を閉めます。
  6. 再びつかうときは尾栓をゆるめ書き始めます

万年筆の素材

ペン先

ステンレスステンレス

錆びにくく、硬いペン先です。一度自分の書き癖になじむと変型しにくいため、良い書き味が持続します。比較的安価(2,000円前後からあります)に購入できるアイテムが多く、「万年筆を一度使ってみたい」という方におすすめしております。
万年筆ヘビーユーザーは随分昔に忘れてしまった感覚かもしれないのですが、一般的な事務用・学用筆記具ユーザーにとっていきなり高価なお品を買うことはなかなか難しいことです。
初めて万年筆を使う方は(通常のボールペンやシャープペンシルなどを使う際の筆圧はやや高めになりがちなのです)硬いステンレスペン先で万年筆の性質を体験学習してみると良いと思います。

金ペン(14K)(18K)(21K)(24K)

錆びにくく、柔らかく、そして滑らか。万年筆が好きになった方は是非手に入れていただきたいです。金の含有量が高いほど柔らかくなります。多くの万年筆ユーザーはこの滑らかさにとりつかれているのです(勿論私もその一人ですが・・・)!

ペン軸

様々な素材で作られており、天然の鉱物や、金属、プラスティック、エボナイト、セルロイドなど様々です。最もスタンダードな素材がプラスティックと金属。先述の天然鉱物やセルロイドなどは同じ柄を再現することはほぼ不可能で全てが一点モノ。

万年筆の部位

本体

首軸→

ペン先と胴軸をつなぐ部品

槍→

カートリッジ式万年筆には必ずついており、インクカートリッジを槍にさすことによりセットできる。カートリッジをさしこむ際にねじったりすると折れたりするので要注意。またカートリッジは正しい向きで差し込むこと

胴軸→

筆記する際に手で持つ部分。万年筆のデザインはこの部分でほとんど決まってしまう

尻軸・尾栓→

吸入式の場合、この尻軸を回すことによってインクを吸入したり、排出したりします。カートリッジ式の場合は意匠的な意味合いが強く胴軸と一体化している場合が多い

キャップ

天ビス(天冠)→

キャップの頭に付いている部品で、メーカーのマークなどが入っていることが多いです

キャップ→

キャップ本体の筒部分

  • 豆知識:昔の万年筆は小さな穴があけてある場合があり、キャップ内側の結露を防止したり、誤飲してしまった場合の気道確保のためと言われております。今手に入る万年筆ではほとんどこの穴は開いていないようです
  • キャップの閉め方には二種類有り、ねじ式と勘合式があります。ねじ式の方が機密性が高くペン先を乾燥から守ります。勘合式は非常に便利ですが、キャップのすり減りや変型により(素材の摩耗ですから避けられないのです)ねじ式に比べ寿命は短くなります
  • 勘合式の開閉方法は片手でキャップを上向きの状態で胴軸を握り、親指をキャップに添えて開けます。キャップと胴軸をそれぞれの手で持って開けると、開けた瞬間にインクが飛び、キャップの中にインクが溜まる現象が起きます。ペン先や首軸の汚れ(筆記時に手が汚れます)、キャップ中のインクが古くなるとカビや腐食の原因にもなりますので注意が必要です

内キャップ→

万年筆は乾燥が大敵。気密性を上げるために内キャップ備えられているものもあります

クリップ→

ポケットにさした際、天ビスとともに外から見えることもあり、メーカー独自の形状をしていることが多いです

ペン先

ペンポイント→

イリジウム、イリドスミン(合金)など、摩耗に強い金属で作られている先端の小さな小さな球体。文字を書く際に紙と接する部分で、この部品の形状で書き味の多くが決まります

ハート穴→

ハート型だったり、円形をしており、ペン先の弾力(しなり)を決定づけるもの。大きく横長だと弾力性が高く、小さいと堅めのペン先になります

スリット→

切り割りなどとも呼ばれるペンの先からハート穴までの切り込み。インク量を決める大事なファクターで、溝の幅が広ければ広いほどインクは多く出ます

※溝の幅が広くなりすぎると、毛細管現象が働かなくなり全くインクが出なくなる(開きすぎてしまった状態

ペン芯→

ペン先の裏に密着する樹脂製の部位。切り割りと並行にインクが通るための溝が掘られており、筆記によりインクが外に排出された際の空気交換もここで行われます。よどみないインクの流れを作る大事な部品

オプション[詳しくは「インクを入れよう」にて]

コンバーター→

カートリッジ式万年筆の中にはインクカートリッジの代わりにコンバーターという部品(別売のケースが多いのですが、はじめからセットされている商品もあります)

カートリッジインク

万年筆用インクが封入された筒状の容器。カートリッジ式万年筆にさして使い、インクの供給を行います。やや割高

ボトルインク

吸入式万年筆、コンバーターを装着したカートリッジ式万年筆のインク

万年筆を買いに

どこで買うとよいでしょうか。

万年筆に詳しいスタッフのいるお店で

万年筆はここまで書いてきたとおり、一言で表現するとあまりにも個体差が大きくデリケートな文房具です。
そのため、使い方やお手入れ方法などを詳しく聞くことができるスタッフのいるお店で買うことをおすすめしております。

ちょっと考えて!ネットでのお買い物

自分たちでオンラインストアを運営していながら、お客様には万年筆のオンライン購入はあまり積極的におすすめしておりません。
それは何故かというと、試し書きが出来ないからです。
万年筆選びは人それぞれの書き癖や筆圧等と万年筆の個体差との相性をみるためのフィッティングが必要です。

そのため、試し書き(試筆)を行い複数の万年筆を比較して選ぶことができ、その後のお手入れや修理相談ができるお店で買うことをおすすめします。高額商品が信じられないような割引率で売られているネットストアはとても魅力的ですが、デザインだけで選んでしまい、書き心地がしっくり来ないと最終的には全く使わなくなってしまう可能性もあります。使ってこその万年筆ですから、少々高くとも文具店に選びに行ってみて下さいね。

ちょっと待って!万年筆のプレゼント

個体差の大きい万年筆は、できれば差し上げる本人と一緒に選ぶのがベストです。そのため、価格を見られたくない、サプライズにしたい等というケースには、あまりおすすめ出来ないプレゼントでもあります。
万年筆は本当に特別な贈り物になりますから、心から大切に思う人と一緒にお店へ行って納得いく商品を選びましょう(それもまた楽しいのです)。

自分に合ったペンってどんなペン?

力を抜いて紙の上を滑らしてみましょう

ペンを持ったら、出来るだけ力を抜いて、ペンを紙の上に滑らせて(この表現大事です!)みましょう。この状態でインクは出ますか?それならばまず第一段階クリアです。もしこの状態でインクが出なければ残念ながら後々調整が必要なペンです。

これは何のテストかというと、万年筆の重みだけで毛細管現象が働くかどうかを見ているのです。万年筆はペンの中にあるインクが、より細いペン先に向かって流れる性質を利用した筆記具です。本来ならば万年筆本体の重みだけで、紙に接した瞬間にペン先がしなって僅かに切り割りが開き、よどみのないインクの流れが完成します。しかし、途中でインクが通らない場所があると、毛細管現象がペン先まで働かずインクが出ません。
つまり力をいれてゴリゴリと書かなければならないため、気持ちよく書ける万年筆ではないのです。

自分の名前を書いてみましょう

よく円や曲線などを書いて試し書きをされている方をお見かけしますが、自分の名前や住所の最初の文字を書いてみるのが良いと思います。書き慣れた文字ならば、いつも使っている筆記具と比べることが出来ますから、「書きやすいペン」かどうかをかなりフラットに判断することができます。

引っかかりはないですか?

さて、書いてみてザリザリしたり紙に引っかかる感じはありませんか?色々な文字を書いてみてスルスルと滑らかに感じるペンを選びましょう。この引っかかる感じは、書き癖とペンポイントの形状が合っていないために起こる現象です。

字幅は細すぎないですか?太すぎないですか?

万年筆をどんなシーンで使うかがとても重要です。手帳、手紙、サイン、絵、などなど。初めて使う方は細めの日本製のEF、F、FM、海外製のEF等をおすすめしております。

運命の万年筆に出会うコツ

デザインだけで選んでも書き心地だけで選んでも、人生を共にする万年筆にならないことがしばしば・・・。
高価な買い物ですから、これだ!と思えるものが出るまでじっくり探しましょう。限定品などは早く買わなければ市場から消え去ってしまう場合も有りますが、運も出会いのうち。

舶来(輸入)万年筆のお取扱

字幅にご用心

海外製の万年筆はすべて国産に比べ字幅が太いです。これは、特定の国を除いて画数の少ないアルファベットしか使わないためだと言われています。海外製万年筆をご購入の場合は国産よりも一段階細いものをお選び下さい。

個体差

もともと万年筆自体個体差の大きい文房具ですが、国産に比べ海外製万年筆はより個体差が大きいようです。購入に際してはお試し書きを強くおすすめ致します。

価格

機能・素材上同等のものでも1万円以上高い価格設定がされています。

修理の費用と期間

最もご注意頂きたいのが、この修理費用と期間。
  • 修理見積:海外製万年筆修理価格等を調べる見積だけでも費用がかかります(ご購入後所定期間内の初期不良を除く)。
  • 修理期間:最低1ヶ月、長い場合は半年程度と非常に長くかかります
  • 修理費用:1万円以上となる場合もざらで、非常に維持費のかかる万年筆と言えます

舶来万年筆がライトに購入できる時代になってしまいましたが、大切に扱うことができ、万年筆のことをよく理解している方にしかおすすめ出来ない性質をもっています(勿論大切にするという意味では、国産でも同じですが・・・)。

万年筆の予算

高ければ良いわけではありません

高ければ良いというものでもありません。書いてみて最もマッチするとおもう物を選びましょう(これだけは自分でしか確かめることができないのです)。
相場はステンレスペン先で2,000円〜5,000円程度です。金ペンは10,000円以上(国産10,000円、舶来30,000円程度)です。
一度万年筆の魅力を知ると、いつかは金ペンが欲しくなります。国産品ならば10000円程度で充分な品が手に入りますので、是非一度ご検討下さい。

30,000円からは別世界

30,000円以上する万年筆には、何ともいえない滑らかさやデザインにも優雅さがあります。一生に一本というペンの時にご検討下さいね。

万年筆を買ったら

インクを入れよう

コンバーター

カートリッジ式万年筆の中にはカートリッジの代わりにコンバーターという部品をさしこむことによって、ボトルインクを使うことができるます。但し、万年筆の種類によって使うことができる種類が限定されているので注意が必要です。また、適合するコンバーターのない万年筆も存在します。
※インク補充方法は「吸入式」の項にて解説しております

カートリッジインク

万年筆用インクが封入された筒状のパック。カートリッジ式万年筆にさして使い、インクの供給を行います。やや割高。

  1. 胴軸と首軸を離します
  2. 首軸の槍に正しい向きでカートリッジをゆっくりさしこみます(まっすぐさすこと。ねじりながらさすと槍が折れてしまう場合があります)
  3. ペン先を下向きにし、さしたカートリッジをトントンと指先で優しくたたきます(振ったりするとインクがお部屋や洋服に付いてしまうので厳禁です)
  4. ペン先に貯まっていた空気がカートリッジ最上部に上ってきて、ペン先にインクが満たされていきます

ボトルインク

吸入式万年筆、コンバーターを装着したカートリッジ式万年筆のインク

  1. 万年筆の尻軸(コンバーターの場合、回転式ノブ)を止まるまで回し、中のインクや空気をすべて抜いた状態にします
  2. このままインクボトルにペン先を浸します(ペン先を僅かに浸すだけではなかなかインクを吸い上げませんので、思い切って首軸が浸かる寸前まで浸しましょう!)
  3. さらに、尻軸を止まるまで反対向きに回しインクを吸い上げます

インクの色を変更したい

混ぜるな危険

たまにインクを独自で混色されている方もいらっしゃいますが、KDMではおすすめしておりません。インクの色を発色させるにあたり成分には必ず金属が入っています。そのため、ユーザー独断の配合により、予期せぬ化学反応を起こしてしまう可能性があります。ペン先への影響を考えるととてもおすすめ出来ないのです。最近ではオリジナルカラーを作ることができる専用インクがございますので、こちらをお買い求め下さい。

【プライベートリザーブ】Private Reserve Ink/プライベートリザーブインク 
http://www.kdm.bz/c1_600000003300.html

【プラチナ萬年筆】MixFree/ミックスフリー
http://www.kdm.bz/c1_300000001587.html

洗浄しよう

長期間使わないと、残った少量のインクが固まってしまいます。固まってしまうと新たにインクを補充してもインクは出てきません。 また、インクの種類や色を変える時には必ず洗浄が必要です。
    (1)吸入式またはコンバーター装着時の洗浄
  1. 残っているインクを全て出す
  2. 水を吸い上げたり吐き出したりを繰り返し、内部のインクを洗い流す
  3. 長期間使用しない場合はインクの代わりに水を入れておき、乾燥によるパッキンの劣化を防ぐ
    (2)カートリッジ装着時の洗浄
  1. カートリッジを取り外し、キャップ、軸、ペン先に分解する
  2. ペン先部分を水に一晩つけ置く

万年筆洗浄方法解説ページ http://www.kdm.bz/event/ev_049/

万年筆の持ち運び

落下厳禁!取扱は大切に。

「万年筆は決して落としてはならない」という都市伝説がありますが、これは本当です。実はどの筆記具も落としてはいけないのです。余談になりますが、それぞれの筆記具を落としてはいけない理由を記載しておきます。
  1. 万年筆→ペン先のゆがみが毛細管現象が正常に働くのを阻害します。一見歪んでいなくても、ルーペなどでみると一目瞭然です
  2. ボールペン→ペン先の球は非常に頑丈ですが、球を支える「チップ」や芯を支える「口金」部分は金属のため衝撃を受けると歪みます。チップが歪んでしまうと、球が滑らかに回らなくなり、口金が歪むとノックしても芯が出なくなる場合があります
  3. シャープペンシル→芯が出る先端のパイプが歪んでしまうと、芯が出なくなります
  • キャップやノックなどでペン先を収納できる場合は、必ずペン先を格納した状態で
  • ペンシースやペンケースに必ず収納する習慣を持ちましょう

万年筆の保管

インクは生ものです

インクにも消費期限があり、一度開封したボトルインクは2年で使い切りましょう。また、空気中には様々なカビの菌が浮遊しており、それらがインクやペンに定着してしまうと腐食などの原因になります。新鮮なうちに使い切りましょう。カートリッジについては一度ペンにさしたら、1年以内に使い切りましょう。また、未開封でも徐々にインクから水分だけが蒸発してしまいphや濃度が変わってきてしまいます。3年以内には使い切りましょう。

変型にご用心

長期使用しない場合、洗浄してあってもパッキンなどの樹脂が乾燥により縮んでしまう場合があります。すると、インク漏れやインクが吸い上げられないなど機能に異常を来す場合があります。コンスタントな使用が理想的ですが、水を吸い上げた状態で保管すると樹脂の乾燥を緩和することができます(以前セーラーのペンドクターに教えてもらった裏技です)。

もっと万年筆を快適に使うために

万年筆便利グッズ

ピペット

万年筆洗浄時、つけおきでは待ちきれない!という場合に便利な高速洗浄機具のご案内

使い切ったカートリッジインクを一本捨てないで残しておきます。 そして、東急ハンズさんやホームセンターさんで販売しているスポイトを用意します。

  1. カートリッジのおしり部分を切り取ります。 切り取った部分をライターであぶり「凸」を作ります
  2. 1で作った筒のおしりに(万年筆にさす方とは反対側ですね)ピペットを取り付け、輪ゴムできつく留めます
  3. ピペットを押すと、勢いよく水にペン先を浸し水を吸い上げたり、はき出したりするため素早く洗浄できます

シース

万年筆を安全に持ち運ぶことができるペンケース。

超音波洗浄機

染料インクならば、超音波洗浄機にかければおおむねインクのつまりが除去されます。万年筆の品揃えが充実している文具店には常備している場合がありますので、尋ねてみましょう(サービスで洗浄して貰える場合が多いです)。

万年筆豆知識

万年筆とインクの深い関係

万年筆とインクにも相性が!?

先述の通り、ペン先は金属製で、インクにも金属の成分が含まれておます。そのため、各メーカーとも開発時に自社インクとの相性は充分考慮の上、作られています。
しかし、他社インクについてはまったく検証されていない場合が多いのです。化学反応により不具合を引き起こす場合がありますので、KDMでは極力ペンとインクメーカーをそろえてもらうようお願いしております。

あれ?インクが出ない

インクは十分に入っていますか?

万年筆のような直液式のペンは、インクがなくなると途端に書けなくなります。インクが空になっていないか確認しましょう。

インクが固まっていませんか?

キャップをしていても、あまりにも長期間ペンを使っていないと、新しいカートリッジなどを取り付けてもインクがでない場合があります。可能ならばインクカートリッジを引き抜き(抜けない場合は、付けたままでも可)、ぬるま湯をガラス製のコップに浸し、静かに万年筆を沈めましょう。染料インクの場合は、一昼夜で固まったインクが溶け出して来ます。

ペンを落としませんでしたか?

ペンを落とすと目には見えなくても、僅かなゆがみで書き味に支障を来す場合があります。修理に持ち込んだ文具店で洗いざらい白状しましょう(しっかり完治させる近道です)。

乾燥にご用心

考え中はキャップ

万年筆は乾燥が大敵。僅かな時間でも落下などの事故を防ぐ意味も含めてキャップする習慣をつけましょう。

気圧にご用心

飛行機などでの気圧が低い場所に万年筆を持ち込むと、ペンの中の空気が膨張しインクが押し出され吹き出すという事故が起きると言われています。新しい機内ではあまり起きないと言われていますが用心に越したことはありません。どうしても機内で万年筆を使いたい方はパイロットさんのプランジャ式をご利用下さい。この万年筆は尻軸の開閉によりインクタンク内を密閉しインクのモレを防ぐことができます。

実は万年筆以外の筆記具(ゲルインクペンや直液式インクペン)でも起きてしまうことがあるそうです。飛行機の中では鉛筆や中綿式(軸の中の綿にインクをしみこませてあるタイプの筆記具のことです) の筆記具にした方が良さそうです。

さて、みなさま「KDM特別編集万年筆を買いたい!」はいかがでしたでしょうか。万年筆を売るためではなく良さを知って頂くために、数年間の文具店生活で覚えたこと、感じたことを正直に書きました。
これから初めて万年筆を買う人、買ってはみたものの取り扱いに若干困っている人の一助となればと思っております。


KDM特別編集 万年筆を買いたい!!

万年筆を買う前に

万年筆の字幅って?

細字(F)

中字(M)

太字(B)

ミュージック(M)

ソフト(S)

アンフェンガ(A)

オブリークブロード(O)

コース(C)

インクの色々

インクの性質

カーボンインク

ブルーブラック

その他

製図用・証券用[万年筆非対応]

混色用

インクの補充方式

カートリッジ式

コンバーター式

吸入式

パイロットプランジャ式

万年筆の素材

ペン先

ペン軸

万年筆の部位

キャップ

ペン先

本体

オプション

万年筆を買いに

どこで買うとよいでしょうか。

万年筆に詳しいスタッフのいるお店で

ちょっと考えて!ネットでのお買い物

ちょっと待って!万年筆のプレゼント

自分に合ったペンってどんなペン?

力を抜いて紙の上を滑らしてみましょう

自分の名前を書いてみましょう

引っかかりはないですか?

字幅は細すぎないですか?太すぎないですか?

運命の万年筆に出会うコツ

舶来(輸入)万年筆のお取扱

字幅にご用心

個体差

価格

修理の費用と期間

万年筆の予算

高ければ良いとも言えません

30,000円からは別世界

万年筆を買ったら

インクを入れよう

インクの色を変更したい

混ぜるな危険

洗浄しよう

万年筆の持ち運び

向きに気をつけて

万年筆の保管

インクは生ものです

変型にご用心

もっと万年筆を快適に使うために

万年筆便利グッズ

ピペット

シース

超音波洗浄機

万年筆豆知識

万年筆とインクの深い関係

万年筆とインクにも相性が!?

あれ?インクが出ない

インクは十分に入っていますか?

インクが固まっていませんか?

ペンを落としませんでしたか?

乾燥にご用心

考え中はキャップ

気圧にご用心