知的生産の技術 岩波新書 青版 F93

1969年に出版された知的生産法の原点と言うべき本です。「京大式」情報カードについての記述がなされています。

本書を読むと、梅棹氏は京大式の情報カードに読書記録、アイデア、研究計画、研究結果、講演記録などから、物品の貸し出し記録や住所録に至るまで、さまざまなことを記入していることがわかります。

カード一枚につき一項目を記入すること、カード上覧に見出しをつけること、そしてカード左端に日付をつけることをルールにし記入したカードを、引き出し式キャビネットにストックします。

系統ごとに引き出しを分け、見出しを設けることにより、さらに細分化させていきます。(系統はあくまでゆるやかにつけるのがコツだそうです)

原稿を書いたりアイデアを練り上げる、つまり知的生産を行なう際には、そうして蓄積されたカードを「くる（繰る）」ことによって、アイデア同士のつながりを見出いだし、文章を構成していくのです。

PCが一般的に普及した現在でも、アナログな情報カードが多くのお客様から支持され続けています。その理由のヒントが本書に隠されています。